高配当ETFには様々な種類がありますが、初心者には、私達に身近な国内株式を組み入れたものをおすすめしたいです。今回は、高配当ETF(国内株)を選ぶ際に意識すべき重要なポイントを4つ紹介します。
1. 配当利回りが4%以上あるか
高配当ETFを選ぶ際に、まず確認すべきなのが利回りです。配当利回りとは、投資した金額に対してどれだけの配当金が支払われるかを示す指標で、計算式は「年間配当金 ÷ ETFの株価 × 100」となります。
高配当ETFであれば、配当利回りは4%以上がほしいところですが、現状では4%以上の利回りを確保できるETFは少なくなっています。特に、利回りの高さを売りにしているにもかかわらず、実際には3%以下の利回りしか出せていないETFもあるため、注意が必要です。

2. トータルリターンがプラスか
ETFを選ぶ際には、配当利回りだけでなく、トータルリターン(TR)も確認することが大切です。トータルリターンとは、ETFの価格の変動と配当金を合計した収益のことで、運用成績を判断する指標です。
高配当ETFの中には、配当は高いものの、株価が下落し続けた結果、トータルリターンがマイナスになってしまうものもあります。例えば、配当利回りが5%であっても、株価が年間で10%下落していれば、実質的には損失を出してしまうことになります。そのため、過去数年分のトータルリターンを確認し、安定的にプラスのリターンを確保しているETFを選ぶことが重要です。
また、経済環境や金利の変動によって株価は上下するため、一時的な下落に惑わされず、長期的な視点でトータルリターンがプラスとなるETFを選ぶと安心です。こうした視点を持つことで、資産価値を守りながら安定的な配当を受け取ることができます。
3. コストは安いか:信託報酬は0.3%以内
ETFを運用する際には、信託報酬などのコストが発生します。信託報酬とは、ETFの運用管理にかかる費用で、保有資産の一定割合を運用会社に支払う仕組みです。一般的に、コストが低いETFほど投資家の手元に残る利益が増えるため、できるだけコストが安いETFを選ぶことが大切です。
特に高配当ETFの場合、配当収入を目的とした長期保有が前提となるため、年間の信託報酬が高いと、長期的には大きな差が生まれます。国内の高配当ETFでは、信託報酬が0.2%〜0.3%程度のものが一般的で、これが0.5%を超えるような場合は慎重に検討する必要があります。
また、売買手数料も重要なポイントです。特に、頻繁に売買を行う場合、手数料が積み重なり、コストがかさむ可能性があります。低コストで取引できる証券会社を選び、余分な費用を抑えることで、より効率的に資産を増やすことが可能となります。ちなみに、楽天証券とSBI証券は国内ETFを含む取引手数料0円を打ち出しており、おすすめです。
4. 純資産総額が100億円以上あるか
ETFを選ぶ際に、純資産総額の大きさも重要なポイントです。純資産総額とは、そのETFにどれだけの資金が集まっているかを示す指標で、流動性や信頼性に大きく関わります。一般的に、純資産総額が100億円以上のETFは流動性が高く、売買がしやすい傾向にあります。
逆に言えば、流動性が低いETFは、売買が成立しにくく、思ったような価格で売買できないことがあります。特に、緊急時に資産を売却したい場合、流動性が低いとスムーズに取引できず、想定外の損失を被る可能性があります。そのため、流動性の高いETFを選ぶことで、売買時のリスクを抑えられます。
また、純資産総額が大きいETFは、多くの投資家からの信頼を得ており、運用の安定性が高いと考えられます。資産規模が小さいETFは、運用がうまくいかずに上場廃止(償還)となるリスクもあるため、純資産総額が100億円以上のものを選ぶようにしましょう。

まとめ
国内の高配当ETFを選ぶ際は、4つのポイントをしっかり確認することが大切です。
- 利回りが4%以上あるか
- トータルリターンがプラスか
- コストが安いか
- 純資産総額が100億円以上あるか
これらの要素を意識して選ぶことで、安定した配当収入を得ながら、長期的な資産形成を進めることができます。初心者の方は、ぜひこれらのポイントを参考に、自分に合った高配当ETFを選んでみてください!
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